傳田流成功法
第10回 大規模サーバでもIntelが台頭へ / (1) Solarisからの移行市場に注目
前回までに,Intelが重視している六つの価値のうち「リスク・テイキング」と「結果主義」を紹介しました。残りの価値についての紹介はしばらくお休みして,現在私のコンサルタント事業に関係している会社を紹介したいと思います。
その会社は,米MigraTEC社です。現在私はMigraTECの代理人として彼らの技術とサービスを日本に紹介しています。MigraTECは,CやC++などのソースコードを異なるコンピュータ・プラットフォーム用に変換するためのソリューションを提供しています。ソースコードを再コンパイルする手法と比べて,短期間に安価で新ソースコードを生成できるのが特徴です。
MigraTECが提供する手法は,(1)まずソースコードを分析し,(2)その分析に基づいてソースコードを変換する---というもので,これら作業を効率よく処理する分析ツールと変換ツールを提供しています。分析ツールではソースコードを診断して変換ツールを動作させるためのパラメータを決めていきます。変換ツールでは各種パラメータに応じた変換をバッチ処理することが可能で,その変換速度は通常の2倍程度です。1日で約2万7000ステップを変換した実績があります。
例えば,32ビットx86アーキテクチャ用ソースコードをIntelのサーバ向け64ビット(IA-64)用ソース・コードに変換します。IA-64だけでなく,米Advanced Micro Devices(AMD)社のx86-64への変換も対応しています。また,変換前のコードは32ビットのx86に限らず,他の64ビット・アーキテクチャである米IBM社のPOWER(AIX)や米Sun Microsystems社のSPARC(Solaris)からIA-64(Linux)などへの変換も可能となっています。
特に私は,SunのSPARC(Solaris)からIA-64(Linux)への変換に焦点を当てており,この市場に期待しています。まず大手コンピュータ・メーカのシステム構築部門やソフトウエア開発部門での採用を働きかけています。
SPARCからIA-64への移行市場に期待する理由は,大規模サーバ市場においても今後Intelアーキテクチャが主流になっていくことに間違いはないと確信しているからです。その最大の根拠として,Intelが提供するIA-64プロセサの性能が順調に伸びていることを挙げることができます。IA-64プロセサ「Itanium」は2001年5月に登場しました。その後2002年2月にItanium 2が登場し,間もなく新Itanium 2も登場します。そして,Intelが公表しているロードマップでは,2004年に新Itanium 2のキャッシュ容量増強版が登場し,2005年には1チップにデュアルプロセサを集積する次世代品が登場する予定になっています。
富士通はIntelと協業して,メインフレーム・クラスの信頼性を備えたLinuxまたはWindowsサーバを開発することを2003年1月に発表しました。この発表では,富士通はIntelのIA-64プロセサのロードマップを踏まえ,2005年末までにIA-64搭載機を開発し市場投入する予定であることを明言しています。これは,富士通が必ずしもSPARCやSolarisから撤退するとことを意味していませんが,今後ミッションクリティカル領域向けのサーバをIA-64プロセサで構築していくことを意味しています。
メインフレームを頂点とした64ビット大規模サーバ市場では,まだIntelアーキテクチャが主流であるとは言えません。Intelの戦略は,富士通と提携することでメインフレーム・クラスの技術をIntel製品に取り込みます。そして,その製品を汎用品として多くのサーバ・メーカに提供するという戦略を練っているのです。
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米MigraTEC社のWebサイト










